足と姿勢の研究所

姿勢のはなしもいよいよ最終回になりました。
こんにちは「と姿勢の研究所」管理人のフィジ男（ふぃじお）です。

外力に対する応答

姿勢保持には各種の反射・反応が関与しているのは以前も触れました。
例えば、立位姿勢で、急に左肩に側方から外力が働いて重心線を右側にずらされると、
右下肢で体重を支え、同時に左側の上下肢に外転運動が起こります。
この反応で身体の重心点は左側に偏位し、重心線が支持基底よりも右方向への逸脱を防止します。
転ばないようにバランスをとるポーズですよね。

更に加わる外力が強力で、重心線の右方向への移動が大きければ、左下肢を右前方、右後方に
踏み出します。
普段何気なく「おっとっと」とステップを踏みますよね。
これを踏み直り反応といい、転倒予防に重要な役割をはたします。
感覚受容器は前庭迷路系です。

台の上に立位または座位をとらせ、台を傾けたときにみられる反応を傾斜反応といいます。
台を前後・左右に傾けると、頭部を垂直に保つような動きと姿勢を保持しようとする体幹の働きが
起こります。
これは頭部・体幹の立ち直り反射の結果起こる現象です。

人間は、傾いた傾斜地や不安定な場所でも転ばないように自然と頭部を垂直に保つんですね。
ジェットコースターに乗って後ろから見ていると、全員同じ方向に頭を動かしますよね
（私は眼を閉じて下を向いていますが・・・）

（医歯薬出版「基礎運動学」より）